・Agentforceの新エージェントの名前と役割を短時間で知りたい
・日本でいつ使えるのか、料金はどう決まるのかを確かめたい
・営業やマーケの現場に入れる前に、決めることを整理したい
Salesforceが2026年9月に発表したAgentforceの新エージェントは、HunterやPiperといった人の名前が付いた7体です。ただ紹介記事では、米国の提供予定と日本の状況、発表と一般提供が混ざって語られています。
Agentforceの新エージェントとは、営業やサービスなどの職種ごとに、必要なスキルとデータの形を備えた既製のAIエージェント群です。営業の要になるHunterは、日本での提供時期がまだ決まっていません。そして成否を分けるのは性能より、営業とマーケの受け渡しの基準です。本記事では公式発表をもとに、役割、提供状況、料金、導入前に決めることを整理します。
この記事のゴール(読了目安 約8分)
Agentforceの新エージェント7体の役割と日本での提供状況を把握し、自社の営業・マーケに入れる前に何を決めるかを説明できるようになる。
Agentforceの新エージェントとは
Salesforceが2026年9月11日(米国時間)に発表した、職種別の7体のエージェントです。Dreamforceの開幕との前後関係も確かめます。
2026年9月11日に発表
Salesforceは2026年9月11日(米国時間)に新しいエージェント群を発表し、日本法人も9月14日に翻訳を公開しました。年次イベントのDreamforce(9月15〜17日)の直前です。「Dreamforceで発表」と書かれることもありますが、正確には開幕前の発表です。
職種ごとに用意された既製品
これまでのAgentforceは、企業が自社でエージェントを組む使い方が中心でした。新しい7体は業務に必要なスキル、アクション、データモデルを最初から備え、ゼロから作らずに職種別の完成品から始められます。名前を自社用に変えることもできます。AIエージェントそのものの仕組みは別記事で解説しています。

7体の役割と提供状況
米国の発表と日本法人の発表を突き合わせ、発表時点の提供状況を整理しました。
米国の発表はHunterの一般提供を11月としていますが、日本法人の発表は「日本での提供時期は未定」です。米国の予定を日本の予定として読まないよう注意してください。発表文には、未提供の機能を前提に購入を判断しないよう求める注意書きもあります。
営業向けのHunterとPiper
Hunterは見込み客の調査から接触までを数週間から数か月かけて受け持ち、Piperは問い合わせの入口で対話します。日本で動いているのはPiperです。
Hunterは数週間かけて商談を追う
Hunterは、見込み客の調査から接触までを受け持ち、営業担当者と数週間から数か月かけて動くエージェントです。公式は、四半期末までに危ない商談を立て直すよう頼む例を挙げています。Hunterは依頼を測れる目標に直して計画を立て、自分で動いてよい場面と、営業の承認が要る場面を決めてから進めます。
Piperは問い合わせの入口に立つ
Piperは、Webサイトと受信箱で見込み客と対話し、確度を見極めて商談につなぐエージェントです。2026年4月に買収を終えたQualifiedの製品がもとになっています。日本法人は6月9日、自社サイトでPiperが日本語で動き始めたと発表しました。営業の2体のうち、日本ですでに動いているのはPiperです。

サービスとバックオフィス
営業以外の5体は、顧客対応と社内業務を受け持ちます。
- Casey: 音声、SMS、WhatsApp、Webチャットで問い合わせに答え、返品や有人対応への引き継ぎまで扱う
- Fin: 9月10日に買収を終えた旧Intercomの製品で、複雑な顧客対応を全チャネルで解決する
- Paige: Slackや社内ポータルで、ITと人事の依頼を片づける
- Carter: 通販で商品探しと比較を手伝い、チャットの中で購入まで進める
- Marshall: サプライチェーンの一連の業務を決まった手順で動かし、全操作の記録を残す
問い合わせ対応を担う製品がCaseyとFinの2つある点は覚えておきましょう。公式の説明だけでは使い分けが判断しにくいため、見積もりの段階で違いを確かめるのが確実です。
長期タスクの実行環境
Hunterを支えるのが、新しい長期タスク実行環境です。1回の会話で終わらず、数日から数週間かけて目標を追うための仕組みで、3つの機能で成り立っています。
- 記憶: 会話をまたいで、文脈と進み具合を保つ
- 持続的な実行: 計画を長く保ち、状況に応じて再開や軌道修正をする
- 動的ステアリング: 使う人の指示や評価に合わせて動きを変える
今この環境で動くのはHunterだけです。公式は今後、ほかのエージェントや自社で作るエージェントにも広げるとしています。日本で長期の営業タスクを任せられる時期は、Hunterの提供時期しだいです。
料金とエディション
新エージェント個別の価格は、発表では示されていません。費用は、9月に刷新されたエディションと、作業量に応じて減るFlexクレジットで決まります。営業向けの日本の公式価格は次のとおりです(2026年10月時点・年間契約)。
Flexクレジットは、エージェントが1つの操作をするたびに減る単位です。1回の操作は20クレジットで、10万クレジットを60,000円で追加できます。顧客対応のHelp Agentには、問題を解決したときだけ課金される形もあります。月額より、月に何回エージェントを動かすかで費用が決まるため、見積もりの前に想定件数を出しておきましょう。他社製品との課金の違いは別記事で整理しています。
日本で使えるもの・未定のもの
2026年10月時点で、公式から確かめられる日本の状況です。
- 日本で動いている: Piper(日本語で稼働)と、8月7日に提供が始まったAgentforce Voiceの日本語版
- 日本では未定: HunterとMarshall
- 確認が要る: Casey、Paige、Carter、Fin。一般提供中とされるが、日本語での対応範囲は個別に確かめる
「発表済み」と「自社で使える」は別物です。商談の場では、日本語への対応、契約中のエディションで使えるか、開始時期の3点を担当者に確かめましょう。
営業とマーケの仕事の変化
新エージェントが入ると、営業とマーケの役割分担が変わります。
- 初回対応の時間: 夜間や休日の来訪にもPiperが応じられる
- 選別の基準: 誰を営業に渡すかを、人の感覚ではなく文書で決める必要が出る
- 営業の時間配分: 調査や連絡文の下書きを任せ、承認と交渉に時間を使う
- 記録: 対話の内容がSalesforceの顧客情報に残り、振り返りの材料になる
業務を工程に分けて、どこまで任せるかを考える方法は別記事で解説しています。
導入前に決めること
営業支援ツールにたまった資料請求のリードを、国と主な事業ごとに分けて整理する方針を決めたことがあります。営業目的の問い合わせや不審なデータを除き、どの資料をダウンロードしたかでタグを付けるルールから作りました。分類されていないリードは、エージェントに渡しても使えません。
- 商談化の合格線: どんな相手を営業に渡すか
- 承認が要る場面: 送信や値引きの提示など、人が確かめる操作
- 渡すデータ: 重複や古い連絡先を整理したリスト
- 測る指標と上限: 商談数と受注額、月のクレジットの上限
承認をどこに置くかの考え方は別記事で解説しています。
【プロの視点】受け渡しの基準を先に
「AIの営業担当を入れれば商談が増える」と語られがちですが、増えるのは渡された目標の数字です。
広告運用でも同じことが起きます。広告費を増やして資料請求は増えたのに、有効な問い合わせの割合は下がった月がありました。自動の最適化が、学習しやすい資料請求に偏っていたためです。
エージェントも、目標に置いた数字を優先して動きます。商談の件数を目標にすれば、営業が追わない相手まで「商談」として届きます。見るべきは件数ではなく、マーケと営業が合意した受け渡しの基準です。
多くの会社では、この基準が担当者の頭の中にあります。基準を1枚の文書にしてからエージェントに渡すと、営業は選別の結果を信頼でき、差し戻すときも理由を話し合えます。

【waltsu視点】行けなかった相手に試す
エージェントの価値を、営業の人手を減らすことだけで測ると、見えるものが小さくなります。
waltsuは、AIの価値を時短ではなく試行回数に置いています。営業の人数で決まっていた「試せる相手」の範囲が、エージェントで広がるからです。時間外にサイトを訪れた人、少額の見込み客、何年も連絡していない休眠リード。人では回れなかった相手に、仮説を試せるようになります。
試す相手が増えれば、どの層に何が有効かを学ぶ回数も増えます。ただし、当たりの定義が無ければ学びは残りません。
明日の一歩は、休眠や小口のリードから試す層を1つ選び、何をもって当たりとするかを1行で書くことです。

よくある質問
Agentforceの新エージェントは無料?
新エージェント個別の価格は公表されていません。Agentforceには無料で試せる枠もありますが、本番の利用にはエディションやFlexクレジットの費用がかかります。
Hunterは日本でいつ使える?
日本法人は「日本での提供時期は未定」としています。米国では11月の一般提供が予定されています。
Salesforceを使っていなくても使える?
公式は、Salesforceの顧客データと連携して動く前提で説明しています。既存の顧客情報と業務の流れを使う作りです。
Piperは日本語で話せる?
日本法人は2026年6月、自社サイトでPiperが日本語で動き始めたと発表しています。自社で使うときの設定は導入時に確認してください。
既存のAgentforceとの違いは?
これまでは企業が自社でエージェントを組む形が中心でした。新しい7体は、職種ごとに必要な機能をそろえた既製品です。
この記事のポイント
・新エージェントは2026年9月11日に発表された職種別の7体
・営業のHunterは日本での提供時期が未定、Piperは日本語で稼働中
・費用は9月に刷新されたエディションとFlexクレジットで決まる
・導入前に、営業とマーケの受け渡しの基準を1枚にする
まとめ
Agentforceの新エージェントは、営業、サービス、バックオフィスの職種ごとに用意された既製のAIエージェントです。ただし日本では、営業の要になるHunterがまだ使えません。
まずはPiperのように日本で動いているものから、渡す基準とデータを整えて試すのが現実的です。AIエージェントを営業やマーケティングの仕組みにどう組み込むか迷ったら、waltsuが受け渡しの基準づくりからご支援します。





